スプリント(splint)とは

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一般用語としては、splintは副子と訳されます。

骨折の時などに使う添え木のことですが、手のけがをした後に手に付けるプラスチック製の器具をスプリントと呼んでいるのを見たことがある人もいるのではないでしょうか。

医療でスプリントと言えば、このプラスチック製の器具のことを指します。

その歴史は紀元前27世紀にまでさかのぼります。

Splintの歴史

記録上最も古いsplintは、紀元前2750年頃の「エドウィン・スミス・パピルス」と言われています。ピラミッドの時代です。骨折治療用の安静固定を目的として使われていました。

16世紀になると変形・拘縮の矯正を目的としたsplintが使われ始めます。

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Hans von Gersdroffのスプリント
https://archive.org/stream/feldbuchderwunda00gers#page/n96/mode/1up より

18世紀から19世紀にかけて整形外科の発展とともに数多くのスプリントが作られ、20世紀前半には、現在のスプリントの原型がほぼ出来上がります。

安静固定や拘縮・変形の予防が主たる目的であったスプリントは、マイクロサージャリーという顕微鏡をのぞきながら行う外科手術の発展で「手の外科」で重要な役割を果たすようになり、拘縮予防、治癒促進、母指や指の再建の術前評価、機能向上等様々な目的が加わります。

現在は、脳卒中などで生じた麻痺手の治療も研究されています。

現在のスプリント

現在のスプリントは、病院で医師の指示の下、作業療法士が患者の手の機能を評価しながらオーダーメイドで作ることがほとんどではないでしょうか。

20年前はスプリント療法が盛んにおこなわれていたような印象がありますが、現在はやや下火かもしれません。

治療上の有効性は確認されているものの、それを行うにあたっての時間的コスト、また、決して安価とは言えない材料や特別な機材を使う上に保険点数が請求できないという経済的コスト、さらに職人的な技能が必要でもあり、それにかかる教育的コスト。

そのようなものが絡んで治療の選択肢から外れつつあります。

新たな展開-3Dプリンタ-

ところが、3Dプリンタを使うと、時間をかけずに、安価に、簡単にスプリントを作ることができます。

時間や特別な機材が必要なために病院でしか行えなかったスプリントの作成が、在宅医療や介護現場でも行えるようになります。

デジタル化された情報をやり取りすることで、現場で採型、工場で設計・3Dプリントして現場に送ったり、あるいは、専門家が現場の採型データを受けて設計した3Dデータを現場の事業所に送り、現場で3Dプリントするという流れを作ることもできます。

退院して在宅で生活する患者さんたちを見ていると、生活が安定するに伴って活動範囲も広がり、病院では想定していなかった手の機能の問題が顕在化することが良くあります。

そのような時に機能を代償してくれるスプリントが即座に作れるということは、計り知れないメリットがあります。

どうですか?

3Dプリンタでスプリントの新たな地平を切り開いてみませんか。

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