フィラメントの劣化は原因は大きく2つ。紫外線と湿気。湿気を避けるためのドライボックスを自作しました。
紫外線対策には直射日光を避ければいいのですが、湿気対策はなかなか難しいものです。
フィラメント買った時はほとんどが密封包装されて乾燥材が入っていると思います。開封した瞬間からフィラメントは湿気を吸い始めます。
湿気を吸ったフィラメントがどうなるかというと、
プチプチと音を立ててフィラメントが吐出され、出来上がったものはスポンジ状になってしまいました。
フィラメントが加熱された時に、含まれた水分も加熱されてはじけるためだそうです。状態によってはフィラメント詰まりの原因にもなります。実際これがプリントされる前、ノズルつまりを起こして加熱部から煙吹き出しました。あわてて電源オフ、再起動させた後に出てきたものが上の写真です。
どう解決したかというと、これです。
布団乾燥機(笑)
フィラメントが吸い込んだ湿気を飛ばすには、ある程度(45-60℃)の高温と気流が必要です。ちょうどよかったのが布団乾燥機。2時間乾燥させた結果、
ほぼ湿気を吸う前の状態に戻りました。
そんなこんなで、ダイソーで買った500円ボックスと温湿度計とクローゼット用乾燥剤で保管用のドライボックスを作ったのですが、問題はプリンターで使用中のフィラメント。むき出し状態で放置されることになるので、100%湿気を吸ってくれます。
市販品ではこのようなものがあります。
Amazonで14,980円です。詳細は写真をクリックしてください。これ、要は、密閉容器に穴開けて乾燥材入れとけばいいだけですよね。
こんな感じで作ってみました。
上面には温湿度計を付けています。
湿度は20%を保てていますね。
この日は雨。洗濯物を干していた関係もありますが、エアコンのない室内は湿度80%台。20%を保てていれば十分な性能と言えそうです。
フィラメントの出口はこんな感じ。

PTFEチューブをグルーガンで取り付けてあります。
乾燥剤は、
クローゼット用です(笑) いろいろ試しましたが、水がたまる部分と乾燥ビーズが分離してあって、湿気が通過する紙の面積が広いものがよさそうです。
総製作費、500円ほど。材料はすべてダイソーで。
作り方

①蓋の部分の加工
A4が入るファイルケース。これが2個必要です。
蓋になる方は赤線の部分で切断します。のりしろになるだけなので位置は適当で大丈夫です。
赤丸の部分の出っ張りを4か所とも削り取っておきます。
ホットナイフよりも普通のカッターの方がきれいに切れます。

②湿度計の穴をあける
切り離したファイルケースの底に湿度計用の穴をあけます。
鉛筆で大きさをなぞってからホットナイフでグサグサと線に沿って穴をあけます。大雑把に切り取ってから縁をきれいに削り取るようにするとうまくできます。

③湿度計取り付け
湿度計はダイソーの壁掛け型のやつ。100円也。
パコっとはめて周囲をグルーガンで接着します。湿気が入らないように隙間をふさいでください。

④蓋部分組み立て
切り離した下の部分をひっくり返して上の部分にはめてグルーガンで接着します。
湿気が入らないように多めに盛り付けてください。

⑤乾燥材用フック
乾燥材を吊り下げるフックを取り付けます。つける位置は使う乾燥剤によって決めてください。
これは5個100円(笑)
これで蓋部分は完成。

⑥フィラメント出口取り付け
本体になる方のファイルケースに穴をあけてPTFEチューブをグルーガンで接着します。
微妙に動く部分なのでしっかりと盛り付けるようにしてください。
PTFEチューブはAMAZON等でも買えますが、私は3Dプリンタに付属していた予備のエクストルーダーのものをチョキンと切って使いました。
こちらからも購入できます。
↓

⑦ボックス内スプールホルダー
スプールホルダーも自作。Anycubic MEGA-s純正ホルダーと同じ軸受にしてます。
Thingiverseを覗くとよさそうなのは大体別途ベアリングが必要ってなってます。純正のホルダーはベアリングなんて使ってないので、同じような形にすれば大丈夫だろうということで。

フィラメントスプール載せるとこんな感じになります。
軸の部分が外せるので上から譜ラメントを交換できるという仕組み。
底にすべり止めを貼っておきます。
STLファイルほしい方は、以下のリンクからどうぞ。Thingiverseにアップロードしておきました。

⑧完成
完成形です。
使用したもの
A4ファイルボックス(100円)×2
温湿度計(100円)
粘着テープ付きすべり止め(100円)
乾燥剤(2個で100円)
フック(5個で100円)
グルーガン、カッター、ホットナイフ等
500円くらいですね。