3Dプリンタで作る手作りマスク データ公開

IMAG5053 - 3Dプリンタで作る手作りマスク データ公開 Mask

株式会社イグアスから3Dプリンタ用のマスクの設計データが公開されています。

ただ、これ、SLS方式という3Dプリンタで作られています。ただでさえ普及しているとは言えない3Dプリンタですが、加えて、一般に使われているものはFDM方式というものです。FDM方式は薄い曲面状の物体を造形するのが苦手です。

このデータの公開でマスク不足で困る人が救われるかというとそうでもなさそうです。

SLS方式の3Dプリンタがバカスカ売れて一家に一台状態にでもなれば別でしょうけど、家庭用FDMプリンタと比べて3桁以上お高いものがそうそう普及するとは考えられないです。

そこで、普通に普及している5万円以下のFDM方式3Dプリンタでマスクが作れないか試してみました。

試作1号機

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3Dプリンタマスク 試作その1

TPUで平面状に作ったものを張り合わせることで立体マスクにしています。

元々の形はこんな感じ。

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3Dプリンタマスク試作その1 パーツ

扇型の弧の部分を両面テープで張り合わせることで立体化しています。なかなか形はよいのですが、いざつけてみると...

臭う...。

両面テープの接着剤のにおいが直撃してきます。顔面へのフィット感はとてもいいのですが、ちょっと耐えられそうにない匂いです。

試作2号機

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3Dプリンタマスク 試作その2

臭いがなければ...ということで、貼り付ける部分をなしにできないかと考えた結果、サージカルマスクの真似をしてTPUを薄く打ち出してプリーツ状にしてみました。

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3Dプリンタマスク試作その2 パーツ

フィルターは裏面からリベットのようなもの(3Dプリンタで出力してます)で止めることにして、同じ仕組みで鼻のところに針金が入るようにしています。

臭いは完全になくなりましたけど、いまいちフィット感がなくて、すぐずれてしまいます。

試作3号機

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3Dプリンタマスク その3

フィット感を出しつつ、両面テープを使わず、FDMで簡単に作れるようにするには?

ということで、平面状のTPUに骨組みをつけて2か所を両面テープで止めることで丸みをつければ...。

と、やってみたのが上の写真です。

鼻のところに針金を通すことができます。針金は、ビーズ細工で使うような0.55㎜のステンレス線を使っています。針金を入れなくてもマスクにはなります。

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3Dプリンタマスクその3 パーツ

組み立てる前は上のようになっています。ほぼ平面なので、それほど難しい調整をしなくてもTPUでプリントできます。

本体の上下の3角形に切り込んであるところが真ん中ですので、ここにハサミを入れて両面テープでつなぎ合わせると写真のような形になります。

両面テープを使っていますが臭いはしません。貼り付けているところが、直接空気の通り道になっていないためだと思います。

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3Dプリンタマスクその3 裏面

あごの部分や頬の部分をカットすればサイズの調整ができますが、なるべくならスライサーで縮尺調整してください。その方がきれいにできます。

あとは、前回ご紹介した3Dプリンタ製の耳ゴムをつけたり、

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ゴムひもがあれば穴をあけて通したり。

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耳ゴムには、「伸びる靴紐」がちょうどいいですね。

ということで、装着するとこんな感じ。

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3Dプリンタマスク 完成

むちゃくちゃ怪しい...(笑)

もうちょっと頬の部分をカットして肌が見えるようにするといいかもしれませんね。

3Dデータ(STL形式)ダウンロード

試作3号機のSTLデータはこちら TPUmask v3.stl(2.7MB)

耳ゴムの部分のアタッチメントもリニューアルしてます。薄くしたのであたりがよくなりました。 mask strap.stl(1.5MB)

マスクの効果について(御一読ください)

前回の記事でも触れましたが、病院で使われているサージカルマスクでさえ、空中のウイルスを濾過することはできません。

ましてや、今回作ったマスクも含めて、手作りマスクや布マスクならなおさらです。

自分が感染しないための道具としては不十分です。ただ、この動画を見てください。

Simulation of sneeze while wearing a low-grade face mask using Cradle CFD

出展はこちら。

くしゃみをした時の飛沫の動きを物理演算したものです。

上段は何もしない場合、中段は肘の内側で口元をふさいだ場合、下段はマスクをした場合です。

「実際は、外部気流の影響や体温による上昇流の影響もあるため、このような単純な条件では済まないが、今回のシミュレーションでは少なくともマスクを着用することで、くしゃみに伴う液滴の飛散距離が大きく抑えられることが確認できた」

と、この解析をした入江智洋氏は述べています。

マスクという壁があることで飛沫が飛散する範囲は狭くなります。これはマスクの空気抵抗によるものであろうと考えられます。

マスクは自分を守るものではなく、感染を広げないものと考えた方がよさそうです。

また、こちら。

コロナウイルス(新型ではない)、インフルエンザウイルス、ライノウイルスに感染している被検者を集め呼気を収集したところ、

「マスクをつけた群は飛沫とエアロゾル中のコロナウイルスを減少させ、飛沫中のインフルエンザウイルスを減少させた一方、ライノウイルスにはマスクの効果がないことがわかった。」
新型コロナ感染症:実は効果あり「マスク」新研究 | Yahoo!ニュース

とのことです。エアロゾルについても拡散防止効果はある程度確認されているようです。

ただ、それが、エアロゾルの吸入を防止できるかというと、はっきりしません。

また、サージカルマスクや市販の不織布マスクについてのものなので、手作り品がどこまでその機能を持つのかもはっきりしません。

あくまで、マスクが手に入らない時の代用品として自己責任でご利用ください。

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