複雑怪奇な自転車部品の規格・適合について(スプロケット チェーン クランク ディレーラー BB そしてフレーム)

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年末年始にかけて、自転車の駆動系(ドライブチェーンと言います)のフルメンテしました。最初は大幅な改造をしようと思ったのですが、調べていくうちに部品同士の相性というか、どうにもならない適合というものがあることがわかりました。

初心者にはとても複雑に見えるんですが、一度わかってしまうと意外と単純なのに気づきます。

せっかくなので、初心者の方向けにシェアします。

複雑怪奇な自転車部品の規格・適合について(スプロケット チェーン クランク ディレーラー BB そしてフレーム)

自転車を改造しようとする時知っておかなければならないのは、

  1. スプロケット
  2. チェーン
  3. クランク
  4. ディレーラー
  5. BB(ボトムブラケット)

これらの規格と相性です。

いろいろな規格が並列に存在するのが今の自転車事情。これは、自転車の駆動系の進化の過程でもあるそうです。

より高度な仕組みが開発されて新システムが次々に投入されてますが、旧システムもそのまま存在し続けます。

そうなったときに新旧の間での互換性がないことが多いのに、時々互換したり。それが複雑怪奇な規格の乱立となっているわけです。

サンプルの自転車

私が乗っているのはこれ。

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カノーバー(CANOVER) クロスバイク 自転車 21段変速 60mmエアロディープリム Vブレーキ CAC-025 NYMPH

スチールフレーム、重量14kgです。その代わり格安2万円ちょっと。

「形だけクロスバイク」との評判も多いですが、私の場合用途として、①舗装された山道、②向かい風、③荷物の運搬、④長距離移動、なので...

車重14㎏か10kgかなんてのは、荷物の重さの誤差内ですし、派手なディープリムが向かい風に対応してくれます。

3×7というのが、街乗りと山道を兼ねる時に便利。それならマウンテンバイクでいいんじゃないの?と言われますが、山道と言っても舗装道なので、マウンテンバイクのようなタイヤだと邪魔になります。

欠点は、荷台がないことと、登坂用にもう少し軽いギヤがあって欲しいってことくらい。

そこで、リアスプロケット(後輪のギヤ)の交換を企みました。

リアスプロケットの規格と適合

リアスプロケットには、①ボスフリースプロケットと②カセットスプロケットがあります。

この2つは下り坂等でホイールが回ってもチェーンに力が加わらないようにする仕組みに違いがあります。

要は、どうやってホイールを空転させているかということ。

ホイールとセットで成り立つ仕組みなので、ボスフリー用のホイールにはボスフリーのみ、カセット用のホイールにはカセットのみしか使えません。

ボスフリーは古いシステムで、7段変速までの時代のものです。8段以上はほぼカセットスプロケットですが、例外もあります。特に7段はカセットとボスフリーが混在します。

スプロケットの刻印やプリントされた文字で区別つけばいいのですが、一見して見分けは付きにくいので、購入時に聞いておくようにしましょう。

ボスフリー車にどうしてもカセットスプロケットを付けたい場合、ホイールの交換も必要になります。

ホイールを交換しようとすると、フレームとの適合が問題になります。

最低限、エンド幅(後輪がはまる部分の幅)とホイールの幅は合わせる必要があります。

チェーンの規格と適合

このリアスプロケットの段数によって、チェーンの規格が決まります。

リアスプロケットの枚数が増えるほど、ギヤ間の隙間が狭くなるため、チェーンの幅も狭いものが必要になります。

クランクの規格と適合

チェーンリング

チェーンの幅が決まると、フロントのチェーンリングの規格が決まります。チェーンの幅に合ったギヤでないと、変速できなかったり外れやすかったりと不具合が生じるらしいです。

ほとんどの場合、2×11(リアが11段)というような表記がされています。リアの段数によってチェーンの規格が決まり、チェーンの規格によってフロントのチェーンリング(ギヤのことです)が決まります。

クランクシャフト

もう一つ重要なのが、クランクとフレームがつながる部分。

クランクはBB(ボトムブラケット)というパーツを介してフレームとつながります。

代表的なものは、新しい順に、ホローテック・2ピースクランク(シャフトとクランクが一体になっています)、オクタリンク、スクエアテーパーといった感じでしょうか。それぞれに専用のBBがあり、違うBBだと100%はまりません。海外の規格もあり、要注意です。

BB(ボトムブラケットとフレーム)の規格と適合

BBはクランクとフレームをつなぐ重要な部分です。フレームに固定できること、クランクを固定できること、両方があっていないと適合とは言えません。

フレームに対して

BBがはまる部分にネジ山があるタイプとないタイプがあります。前者はスレッドタイプ・ねじ切り式、後者はプレスタイプ・圧入式と言われます。違うタイプのBBは入りませんので、まず、フレーム側がどちらのタイプか確認する必要があります。

シェル幅

フレームのBBがはまる部分の幅です。おそらく、日本ではSHIMANOが採用している68㎜が最も普及しているタイプ。70㎜も比較的多いようですが、様々な規格が乱立しています。

これがあっていないと使えません。

非常に重要な部分ですので、わからなければ販売元、メーカーに聞いて確認するのがよいと思います。

その他

スクエアテーパーのBBはシャフト長も規格に含まれます。これがあっていなくてもクランクは付きますが、チェーンライン(チェーンの通り道)が変わってしまい変速トラブルが起きたり、フレームとクランクが干渉してしまったりといったことも起こり得ます。

SHIMANOのBBは、シェル幅×シャフト長の表記の後に、N-DLやLL123という表記が続くものがあります。これはチェーンラインの違いですので、この部分も合わせておく方が無難です。

ディレーラーの規格と適合

対応する段数のほかに、キャパシティと呼ばれる変速対応可能な幅を規定内に収める必要があります。

これをオーバーすると一部入らないギヤができるだけでなく、変速自体が不安定になる可能性があります。

リアスプロケットとチェーンリングの組み合わせがディレーラーのキャパシティを超える場合、歯数を調整してキャパシティに合わせた方が無難です。

また、リアディレーラーを取り付ける部分は、正爪、逆爪、直付けのタイプがあり、それはフレームの形状によって変わります。合わないディレーラーは取り付け不可能になりますので要注意です。

総括すると

自転車屋さんや詳しい人に見てもらうのが一番と思います。

でも、私のように、どうしても自分でやりたいという人もいるでしょう。

沼にはまらないコツは...

  1. リアスプロケットがボスフリーかカセットか(リアの段数が決まり、チェーンの規格が決まります)
  2. 対応クランクの選択(リアの段数=チェーン規格なので、それに適合するクランクが決まります)
  3. BBの選択(クランクが決まるとシャフト形状が決まります。それに合うBB、かつ、フレームに合うBBが決まります)
  4. ディレーラーの選択(段数とキャパシティを満たすものを選択します)

のように順を追って考えていくといいのではないかと思います。

My自転車の結末

で、自転車がどうなったかというと…

  1. クランクをホローテックに換装したいと思い立ち、計画を練る
  2. 適応BB発見
  3. リアスプロケットを選択(この段階で3×11を計画)
  4. キャパシティを満たすリアディレーラーを選択
  5. ポチる直前、友人から指摘され、ボスフリータイプであることに気づき、3が無理だと知る
  6. ホイールを変えるのは予算オーバーなので、ボスフリーの中で選択することになる
  7. ボスフリーは7段まで。3×7のホローテックor2ピースクランクは存在しない
  8. ボスフリー7段で最大34Tのものを選択
  9. 他のパーツの規格はそのままで微妙に上位のものに交換

となりました。リアスプロケットから考えていけば迷走せずに済んだのかもしれませんね。

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